こんにちは!吉郎(@gamenikki0603)です。
ポケモンスカーレットをクリアしたので評価をネタバレ無しでまとめていきます。
今作を一言で総括すると「ポケモンとしては一流、ゲームとしては残念な点がたくさんある」という感想です。
私が重視する要素ごとの点数は以下の通り。
システム | ★★★☆☆ |
グラフィック | ★★★☆☆ |
サウンド | ★★★★☆ |
遊びやすさ | ★★★☆☆ |
特筆点(ポケモンらしさ) | ★★★★☆ |
総合点 | ★★★☆☆ |
ストーリークリアまでの時間 | 約22時間 |
全体を見ると星3つに落ち着きました。ただ、良いところを重点的に評価する加点方式か、悪いところを評価していく減点方式かでかなり点数の付け方が変わる作品だと思っています。
「良いところもたくさんあるんだけど、それと同じくらい気になるところもある」というなんとも残念な印象です。アップデートで修正できる点も多いと思うので、今後はよりよくなる可能性も秘めています!
以下で詳しく説明していきます。

作品の特徴

まず、今作の特徴を改めて整理しましょう。
今作は、ポケモンとしては初めて、オープンワールドを採用した作品です。
オープンワールドはすべての土地がロードなくつながり、「見えるところすべてに行ける」自由度の高い構成となっています。
ポケモンレジェンズアルセウスでも広い土地を駆け回れましたが、それは1つのステージが大きいだけで、他の区画に行くにはロードが必要でした。
今作は店や最終版の一部エリアに行くにはロードを挟みますが、基本的にどの町、どの土地に行くにもロードを挟みません。
それに合わせて、主人公が果たすべき目標が1つだけでなく、3つのルートから自由に選んで進めることができるようになりました。公式には「どの町に行っても良い。どのジムから攻略しても良い」という感じで自由なプレイスタイルができると宣伝されていました。
この自由度の向上が今作の一番の売りです。
いったいこの方針がどう実を結んだのか。
システム
良:早い段階で移動手段が登場する

今作はオープンワールドのため、主人公が移動する距離がこれまでの比ではないくらい増えています。
昔のポケモンなどは、走れるようになるだけでいくつかのイベントをこなす必要がありましたし、自転車の入手や町と町を瞬時に移動する「そらをとぶ」を修得するのは中~終盤くらいなものでした。
今作では、最初から長距離を移動する必要がある都合上、最初からそらをとぶが可能ですし、早い段階で自転車に相当する伝説のポケモンを入手できます。
そして、伝説のポケモンの移動能力強化も難しいものでなく、各地でミッションをこなしていくことで水上移動や滑空などが解放されていきます。
フィールドは広くなりましたが、移動は苦ではありませんでした。
良:学校でポケモンのいろはが学べる
今作は主人公が学生です。
攻略状況に応じて個性豊かな先生たちがポケモンの世界のあれこれを教えてくれる「授業」を受けられます。
戦闘や育成に関わることが学べるので、今作がポケモン初プレイという人には非常にありがたいでしょう。
それと同時に、先生方に愛着がわくのでかなり良い要素だと思います。
良:お金が必要だが、強いポケモンを育てるハードルが低い
前提として、ストーリークリアは基本的に順当に進めていれば苦戦することはありません。過去作の経験者でポケモンごとのタイプ相性などをある程度把握している人であれば詰まることはないでしょう。
そして、クリア後にさらに強いポケモンの入手を目的として、それに必要な「ある程度強いポケモン」を育てようとするとき。必要になる能力の強化や調整はほとんどがお金で解決できます。
具体的に言うと、ポケモンの攻撃値を上げ、性格を変え、特性を変えようとする場合(これらすべてがポケモンの強さに影響します)、いずれもアイテムを買うことで解決できます。過去作よりだいぶ楽になっているといえるでしょう。
必要になるお金は相応に多いですが、クリア後であればお金稼ぎの手段があるので、難易度はさほど高くありません。
これまでは目当ての能力値を持っているポケモンを手に入れるために、たまごを孵しまくったりポケモンを倒しまくったりする必要がありましたがそれらの負担は減り、ライトプレーヤーでも手を出しやすくなっています。
悪:攻略順がほぼ固定
最初に「今作は自由な攻略が売り」と書きましたが、実際はこれまで通り攻略順が決められている側面が強いです。たしかに最初から行ける町は多く、さまざまなジムリーダーやボスに挑むことはできるのですが、こちらの強さに合わせてくれるというわけではないため最初からレベルが高いジムに挑んだりするとコテンパンにやられます。
実質的に、ストーリーのスタート地点に近く敵のレベルが低い町から徐々に強い町へ進んでいく…という従来作通りのルートをたどることになります。
野生のポケモンだけを倒しレベルを上げ、レベルの高いジムから攻略することもできはしますが、それを自由な攻略といえるかは別でしょう。どの町に行ってもプレイヤーの実力にあった敵と戦えるような調整がされていればよかったかと思います。
悪:動作が重い
オープンワールド化と関連があるかは不明ですが、イベントシーンや探索など、様々な場面で動作が重くなります。ポケモンを保管するボックスを開いた時も読み込みが発生し、表示しきるまでに数秒かかるほどです。
ひどいときは数秒フリーズしたようになることもあり、switchへの負荷が心配になります。
エラーで強制終了したという報告もあり、アップデートなどでの早急な改善が必要な点です。
悪:カメラの動きが悪い
カメラがやけに近かったり、挙動が安定しなかったりすることがあります。バトル時にポケモンに近すぎて全景が見えないなんてことも。オープンワールド化でどこでもバトルができるようになった一方、カメラが十分に全体を映せない場所でバトルになるとうまく映せないことがあるようです。
また、動作の重さもあり、カメラの動きも遅くなるためカメラ酔いを引き起こしやすいです。
3Dゲームには慣れている私でも酔いかけました。
グラフィック
良:ポケモンがリアルな等身で再現されている

ポケモンはフィールド上を歩いていて、そこに触れることなどで戦闘に突入します。
最近のシリーズではポケモンがフィールド上に出現するようになりましたが、(私が良くプレイしていた)3DSくらいまでの作品ではポケモンが人と比べてどれくらいの大きさかというのが視覚的にわかりませんでした。今作のフィールドで実際にリアルな等身のポケモンに会えた時は新鮮な感じがしました。
虫ポケってこんなに小さいんだ、このポケモン意外と背丈ないんだな、という体験がたくさんできます。
悪:水面や山肌がのっぺり
今作の世界には山や湖がありますが質感が鉄板のような単調さで、あまり作り込まれているという感じがしません。
山はトレーナーがいる場所も限られているし、移動していて殺風景と感じてしまいます。
サウンド
良:主張は激しくないが気持ちのいいフィールドBGM
オープンワールドゲームでは、探索の邪魔にならないようにだったり、環境音を前面に押し出すためにBGMというのはほとんど主張しないようにつくられる傾向があります。
今作もこれまでのポケモンと比べたら印象深いフィールドBGMというのは少ないのですが、探索のを妨げず、それでいて気持ちの良いメロディーの曲が多いです。
私は東3番エリアの曲が好みですね。
良:剣盾で好評だったジム戦BGMを思わせるアレンジ
ポケットモンスターソード・シールドでジム戦クライマックスに流れる、スポーツの応援歌風BGMがとても好評でした。
今作もジムリーダー戦の場面で同じコンセプトの曲が流れ盛り上がらせてくれます。
遊びやすさ
あらためて触れませんが、上に書いたようにカメラ、システム面で遊びづらさが多いです。
特にカメラ酔いは人によってはかなりストレスになると思います。
また、過去作でできていた戦闘演出のカットや、バトル設定の変更などができなくなっていて、遊びづらくなっている部分が多いです。
ポケモンらしさ

良:固有キャラのデザインが良い
これは好みの問題もあるのですが、私は先生たちやジムリーダーなどの固有キャラのデザインが好きです。派手すぎず、きちんとその人の個性が出ているデザインでした。
キャラ付けも突飛すぎる性質の人は少なく、もしかしたら現実に居そう+少しファンタジーといった感じで親しみの持てるキャラクターが多かったです。
良:序盤から多様な新ポケ
冒険が始まった最初の段階から、新ポケモン含むたくさんのポケモンに出会うことができます。
新しい世界にきた!という感覚で、とても楽しいポイントでした。
また、冒険を進めていっても新ポケや過去ポケの新進化が継続的に登場し、最後まで新鮮味を失わずプレイし続けられました。
カント―地方のポケモンに新しい進化が追加されていたりもするので、昔赤、緑、青をプレイしていたという人も懐かしみながら楽しむことができるでしょう。
悪:新ポケのネーミングはイマイチ
追加された新ポケモンや新進化ポケモンのネーミングセンスに関しては、完成度が低いと感じざるを得ません。それとも方針の変更なのでしょうか。
これまでは元となった生物からとったシンプルな名前か、2つの意味を掛け合わせたダブルミーニングの名前多く、どれも私的にはしっくり来ていたのですが、今作のポケモンはどっちつかずの名づけが目立ちます。
ネタバレになるので詳しくは触れられないのですが、あまりなじめそうにありません。
まとめ
長くなってしまったのでまとめます。
まず私は、結果としてクリア後も今作を楽しんでいます。これまでハードルが高く挑戦できなかったポケモンの能力値調整や技構成のこだわりなどがやりやすくなっていることで続けるモチベーションになっています。
そういう意味ではポケモンとして成功と言えると思いますし、今作でポケモンにハマる人もたくさん出てくると思います。
一方で、ゲームとしてみるとまだまだ頑張れると感じる部分はたくさんありました。
特に、最近の細部まで緻密に作り込まれた超グラフィックゲームなどをプレイしてから今作をプレイすると、目に見える部分の格落ち感は半端じゃないでしょう。そこを許容できたとしても、バグや動作の重さで実害を感じることが、今作を離れる理由になる人もたくさんいると思います。
決して良ゲーと手放しで喜べる出来ではありませんでしたが、ポケモンを楽しむにはシリーズトップレベルで推せる作品でした。今後の改善を祈ります。
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